*…sugar…*

13/14
前へ
/35ページ
次へ
 ベルが受話器の中で鳴り響く、3回目のコールでベルはなりやんだ。 『亜紀?』 「もしもし」  自分が話す前に名前を呼ばれて亜紀は少し驚いた。 『メール見た? なんで電話くれなかった?』 「ごめん。まだメール見てない……」  さっきまで携帯はカバンの中だった、斉藤と番号を交換したときは口答で教え、携帯を鳴らして貰い、音だけで確認したため見ていない。  また、シンに電話をかける時も、怖くてすぐにリダイアルにし、メールや着信があった事にはアイコンで気付いていたが、必死だったため気にも止めなかった。 『今から迎えに行くから、何処?』  今日はデートや会う約束はしていないのに、急遽会う事になり。 『じゃあ、近くのコンビニでまってて』  そう言ってシンは電話を切ろうとした。 「待って!! 切らないで!!」 『どうした?』 「うん……怖いの」 『また幽霊とか考えてたのか、仕方ないなぁ~。ハンズフリーにするからちょっと待って』  幽霊じゃないと言いたかったが、シンの声が聞こえなくなり、亜紀はシンの声がまた聞こえてくるのを待った。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加