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ベルが受話器の中で鳴り響く、3回目のコールでベルはなりやんだ。
『亜紀?』
「もしもし」
自分が話す前に名前を呼ばれて亜紀は少し驚いた。
『メール見た? なんで電話くれなかった?』
「ごめん。まだメール見てない……」
さっきまで携帯はカバンの中だった、斉藤と番号を交換したときは口答で教え、携帯を鳴らして貰い、音だけで確認したため見ていない。
また、シンに電話をかける時も、怖くてすぐにリダイアルにし、メールや着信があった事にはアイコンで気付いていたが、必死だったため気にも止めなかった。
『今から迎えに行くから、何処?』
今日はデートや会う約束はしていないのに、急遽会う事になり。
『じゃあ、近くのコンビニでまってて』
そう言ってシンは電話を切ろうとした。
「待って!! 切らないで!!」
『どうした?』
「うん……怖いの」
『また幽霊とか考えてたのか、仕方ないなぁ~。ハンズフリーにするからちょっと待って』
幽霊じゃないと言いたかったが、シンの声が聞こえなくなり、亜紀はシンの声がまた聞こえてくるのを待った。
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