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『よしっOK、多分あと2、3分で着くと思うから』
「早くない!?」
シンの家からならもっと時間がかかるはず、なのに2、3分で着くという事は、シンはこの辺にずっといたのだろうか。
『メール見てないんじゃ仕方ないよな』
「ねっここら辺に用事だったの?」
『まぁ、そんな感じ』
「何? そんな感じって」
『秘密』
まるで亜紀がメールを見なかった罰かのように、シンは詳しく教えてくれない。シンの車が見えるまで、電話は繋がっていて、いつの間にかあの怖さも忘れていた。
「お待たせ」
「全然待ってないよ」
「俺は待ったけど……」
「本当に!? ごめん……」
「別にいいよ」
車に乗ると、フワッと頭を撫でる大きな手、いつもの優しい手。
亜紀はシンの手が離れるとすぐにメールを開いてよんだ。
『今日、調理実習の手伝いした時にケーキ作って余ったから、一緒に食べよう』
というメールと、あと2通は。
『メール返せ~!!』
『まだ学校?』
とあった。もうその時間の時はすでに自分が倒れていたので、亜紀はこのことをシンに話そうとした。が、
「お腹空いたなぁ~。亜紀もうご飯食べた? というか今まで何してたんだ?」
言うきっかけを掴めた。そう思ったが、亜紀は気付いた、シンがいつもと違う事を。
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