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でも、
「愛してるだって、ふふっ」
耳もとで囁かれた時の、あの力の抜ける感覚。初めてで痛かったけど、シンは優しかった。
ベッドでゴロゴロしながら、亜紀は昼過ぎまで幸せを噛み締めていた。
(明日から、また学校頑張ろう!)
――――
――
「……」
昼休み、いつもの様に相沢とご飯を食べていたシン。
「……」
いつもウルサイ相沢が今日は一言も話さない。相当ショックなのか、さっきから睨んでいる。
嫌なら一緒に食べなきゃいいのにと、シンは思っていたが、相沢が勝手についてきたのだ。
屋上のいつもの場所で、いつもの様に食事。シンは視線を気にせずに、弁当をたいらげた。
相沢が口を開いたのは、弁当を食べ終わった後。
「どうだった?」
「ぶっ!」
いきなりそんな事を聞くから、シンは飲みかけのお茶を噴き出してしまった。
「教えろ!」
脅しなのか、フォークの先をシンに向けている。
「俺らもう29なのに、なんで言わなきゃいけないんだよ」
「言え!」
相沢の顔は真剣だ……。
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