*…sugar…* #2

1/22
25人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ

*…sugar…* #2

「シン……どうしたの?」 「なにが?」  亜紀にはシンがなんだか辛そうにみえた。何か隠しているような感じに。直感というのか、不思議とそれを感じたのである。 「何かあった? なんか……無理してるように、ちょっと感じたから」  すると、シンは息を深く一度吐いてから、 「ちょっとな、亜紀の部屋行ってから話すよ」  そう言って、それ以外部屋に戻るまで一言も話さなかった。一体何があったのか、亜紀は気になって仕方がなかったが、シンの顔を見ると聞くに聞けなくて部屋まで我慢した。 ――「はい、お茶」  亜紀の部屋、シンは隣りに座ると、すぐに亜紀を抱き締めた。 「シン?」 「あぁ~落ち着く……」  一体何があったのか、シンは5分程黙ったあと。 「今日さ、1人の生徒に『私、先生の事嫌いです。尊敬してたのに、幻滅しました』って言われた……」 「なんで!?」 「俺も分からない……」  何故シンがそう言われたのか、亜紀にはまったく分からなかった。シン自身も全然身に覚えがない。 「俺何かしたのかな? まじ落ち込むんだけど……はぁぁ」 「大丈夫?」 「大丈夫じゃないかも……」  かなり落ち込んでいて、溜め息ばかりついていた。 「今日泊まっていいか?」 「うん全然いいよ」 「ありがとう……充電して明日その子と話す」  亜紀はなんて慰めていいか分からず、ただ側にいてあげようと思った。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!