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「おぅ……まるでお前の心のようだ」
空を見るなり、ボソッと呟く相沢に。
「まったくだ……」
そう返した。
「どうしたいか分らない感じ?」
「あぁ……」
「さすがのシンちゃんもお手上げねぇ~」
雲がゆっくり流れていくが、色は全てグレイで……途切れる事はなかった。
「堂々としてれば? 俺が細川の立場だったらそうする。その覚悟があって亜紀と付き合ってるんじゃないの?」
相沢の言葉は凄く胸に突き刺さった。今まで色んな覚悟はしてきたつもりだった。でも、軽く考えていたのかな。
「まぁ、バレた事は仕方ないじゃん。あまり公にしちゃまずい事だけど、こういう事もあるさ、仕方ないよ俺たち教師だし」
「そう言うもんか?」
「斉藤は、言いふらすような事はしないと思うし。もし言いふらしたとしても、堂々としてればいい」
相沢はずっと空を見ている。
「言ったじゃん。俺はチャンスがあったら亜紀を奪うって、俺まだ諦めてないから」
親友なのに、ズバズバというから凄い。応援してくれてるのか、そうじゃないのか、それが相沢で。
「お前に渡さないし」
「その活きで乗り越えろ」
色んな意味で相沢は凄いと思った。
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