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会場に着くと、そこはカップルだらけだった。
「すごい人だね」
列に並び、どれくらい前に人がいるのか、カップは手に入るのかと、亜紀はそわそわしながら待っていた。
「楽しみだな」
「うん」
家族連れの人たちもいて、子供がぐずりだしたりと大変そうだ。カップル以外に家族イベントもあるらしく、人だらけ。
シンは辺りを見渡した。若いカップルが多く、自分と亜紀を見て、また歳の差を感じてしまう。
白に黒のリボンがついたワンピース、デニムの半袖ジャケットを着ている亜紀、いつもより少し高めのヒールを履いていた。が、洋服のせいもあるのか実際より、2、3歳若く見える。
それでますます歳の開きが気になった。
「亜紀、足キツくない?」
さすがに立ちっぱなしはキツいだろうと声をかけると。
「大丈夫だよ」
そう笑顔だった。無理しなければいいが……。またシンは人込みに目を戻す。
その時だ、もう帰ろうとしてるのだろう、列の前の方から歩いてくる3人の女の子たちに目が止まった。
(斉藤……)
他の2人の顔は見た事がない。近付いてくるにつれて。
「キレイだったね」
「また見たいね」
そう話している声が聞こえた。
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