*…sugar…* #2

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「斉藤本当にごめん。先生にはやっぱり何も出来ない。軽蔑されても仕方ないよな」 「……」 「……」  沈黙がこんなに苦しく、重いものだなんて……。  誰でもいいから話して欲しい、誰でもいいから何か言って。 「斉藤ほんとうにごめん」 「私……失礼します」  結局、シンはこれ以上斉藤に何も言える言葉がなくて、背中をジッと見送るだけだった。  亜紀は黙って、すすり泣いている。斉藤の姿が見えなくなるまで、シンはずっと斉藤の事を見ていた。 ――ポンッ。 「よしっプラネタリウム見に行くか」  そうシンは何事もなかったかのように、亜紀の頭に手を置くと笑顔で話しかけてきた。亜紀は涙をふきながら、 「私……」  そう小さく呟く。そんな亜紀を見てシンは手を握ると、歩きだした。  会場までの道を戻る。 「シン……」 「亜紀なにも言うな」  シンの手にはギュッと力が入っていた。指輪は亜紀の手の中で、自分の居場所を探しているかのように、コロンコロンと転がっていた。 「俺は亜紀の事を好きだから付き合った。愛してるから付き合っている。俺はこれで良いんだ、気持ちを押し殺す事なんて出来ないから」 「シン……」 「もうこの事は考えるな。せっかくのデートなんだから、楽しく過ごそう」
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