*…sugar…* #2

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 シンの抱き締めている手を、ゆっくり擦り、少しでも楽になるように、ずっと側に寄り添っていた。 ――朝。  昨日食べれなかったケーキを、朝食と一緒に食べた、シンは全然元気がない。 「頑張ってね。連絡待ってる。いつでも電話して」 「ありがとう。行ってくる」  そう言って亜紀をギュッと抱き締めた後、『充電完了』と仕事へ出かけていった。亜紀も支度を始める。  昨日の出来事は結局、シンには言えないまま、大した事ないと。 (今は普通だし、大丈夫)  思い出しても息苦しくなったり、手は震えないし、きっとあの時怖かっただけだと、もう考えない事にした。 (シン大丈夫かな?)  今はシンの事だけが、心配だった。 ――「皆おはよう、出席を取ります。赤井、石川……」  シンは出席をとっていく、皆元気よく返事を返してきた。気持ちはブルーだったが、生徒の前ではそれを表に出しちゃいけないと、いつも通りを心がける。  そして、問題の生徒の名前を呼んだ。
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