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麗子に渡されたのは、イチゴミルクの飴玉だった。
「これ食べて、少しでも元気だしなさい。私が魔法かけたから」
ニコリと笑っている。その笑顔に亜紀も微笑み返した。
飴を口に放りこむ、口の中に甘い味が広がった。
甘い甘い……。
今のシンとの関係は、この飴とは違って甘い甘いものじゃなかった。
(苦しいよ……)
あの日出来た靴擦れがたまに痛む、あの時は胸の痛みが凄くて何も痛みなんて感じなかったのに……今は足も痛んで、その度にあの日の事を鮮明に思い出していた。
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