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「亜紀いくぞぉ~」
亜紀の側に行った相沢は、亜紀の肩へと手を回すと通路を進んでいく。
普通に亜紀も手を払おうとせずに、相沢に従っていた。
(マジで奪うぞ)
相沢はそう心の中で呟いていた。最初は協力してやりたいという気持ちが強かった。もちろん亜紀がシンを選んだからだ。好きな人の幸せを願うのが、自分の役目だと思っていたから、協力しようとした。
だが……あのシンの溜め息混じりの言葉に、もう数週間なるのに何も変らない現状。
相沢はもう遂にイライラがマックスになってきていた。
(俺の気もしらないで)
隣りにいる亜紀の顔を見ると、こっちまで苦しくなる。
(俺なら笑わせてやれるのに……すぐに解決してみせるのに……)
凄く腹が立っていた。
シンもシンで相沢に腹を立てていた。亜紀の肩に手を回している事や、言いたい事だけ言って行ってしまった事。
亜紀に今でも気持ちがある事は分かっている。
相沢を追いかけて。
「相沢」
「ん? 何?」
後ろから洋服を引っ張った。
「うわっ」
相沢は後ろにひかれ体勢を崩したが、すぐに体勢を整える。亜紀からは手が離れていた。
「お前は俺と一緒に見るんだろ?」
そうシンが相沢の肩に腕を回す。
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