25人が本棚に入れています
本棚に追加
「ん~飯食って帰るか?」
誰も何も話さなかったので、相沢がそう提案すると皆がそれに賛成した。
空が紅く染まり初める。家に着くのは8時頃になると、シンは窓の外を見ながらそう思っていた。
――「良樹さんありがとうございました。シンさんもありがとうございます」
食事が終わったあと、麗子をまず送ってきたのだ。
「また遊ぼうねぇ~」
相沢は右手を軽く上げた。それに麗子は『また誘ってください』と笑顔でいうと。
「亜紀、またね」
大きな門を潜り家の敷地に入っていった。
「じゃあ行きますか」
相沢は車を発進させる。しばらく走って気付いたが、車が向かっているのは、シンのマンションだった。
「相沢……お前、俺から降ろすつもりか?」
「そうだけど、なんか問題あるの?」
「大有りだろ」
「良いじゃんたまには。俺も亜紀と2人きりになりたいし」
後部座席から2人のやり取りを亜紀は見ていた。
「亜紀」
いきなりシンに呼ばれビックリして、声が出ないでいると。
「亜紀?」
シンは振り返った。シートの間からこちらを見ている。
「ん? 何? ちょっとぼーっとしてた」
「相沢と2人にさせたくないから、亜紀も俺の家で降りて」
「あっうん」
最初のコメントを投稿しよう!