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なんだか気まずいと思いながらも、亜紀は首を縦に振っていた。
亜紀はシンにどう接したらいいのか、良く分からなかった。まだあの事が解決していないため、自分は側にいちゃいけないんじゃないかと、そう思っていた。
「お前さ、俺と２人きりにさせたくないって、もしかして俺に奪われるって、危機感持ってるわけ？」
平然とそんな事を言う相沢。するとシンは、
「お前ならやり兼ねない」
そうポツリといった。微妙な空気が車内に流れる、その空気を外に出すかの様に、相沢は半分だけ開けていた窓を全開にした。
――「俺もシンちゃんのお部屋へ行こうかなぁ～」
シンのマンションに着くなり、相沢はそんな事を言い出した。シンは先に車から降りると、
「今日はありがとう。お前は帰れ」
そう冷たい。亜紀も車を降り。
「ありがとうございました」
相沢に礼を言った。
「いえいえ、シンちゃん冷たいよね」
亜紀がシンに目をやると、シンはどこかを見ていた。
「あっ亜紀亜紀」
こっちに来いと、相沢が運転席から手招きしている。口の横に手を持っていく動作で、何かを言いたいんだと分かった亜紀は、相沢の近くへ行き耳を口の方へと近付けた。
「何かあったら俺呼んで」
そうボソッ呟いたかと思うと、
『チュッ』
と軽い音が辺りに響いた。
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