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追いかける事も出来なかった。もし追いかけていたとしても、今のシンにはなんの言葉も見つからなかった。
――「あれれ、シンちゃんどうした? 元気なくない?」
あの後、いつも通り屋上へ行き、相沢と昼食をとっていた。
「まぁな」
「否定しない所を見ると、相当こたえてるねぇ~」
弁当に入っていた唐揚げを頬張りながら、何があったのか言えと視線を向けている。シンも一人で考えても、何も解決策が見つからなかった為、相沢に相談する事にした。
「ふ~ん、そっか。一難去ったと思えば、また一難か」
と軽く聞いている感じだ。コクコクと頷いた後。
「で、どうしたいわけ?」
そう視線を向けてくる。
「どうしたいんだろ……?」
溜め息とともに出て行く言葉。
「お前重症だな」
相沢は、シンがどうしたいのか決めてから助言すると話した。どうしたいのか決める際、この事を亜紀には相談できない、理由は伏せようと思っていた。
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