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「相沢……Help me」
「お前の『Help me』は発音が良過ぎるから嫌だな……」
「仕方ない、俺英語の先生だし」
「自慢か?」
相沢の言葉で少し笑いが出て、気持ちが楽になった気がした。
気がしただけで、実際はまだ重いブルーなままだった、がそう思うことによって、シンは救われていた。
――「大丈夫かなぁ」
亜紀は昼食を終えた後、教室に戻って独り言。明智がそれに気付いて、亜紀を見たが、亜紀は気付かずに窓の外に目を向けている。
「気になる……」
ブツブツなにを言っているのかと、明智は声を掛けた。
「亜紀、何が気になるんだ?」
「あっ明智くん。ちょっとね彼氏の事」
「ふ~ん」
亜紀はシンからメールも電話もない事に、本当に凄く心配していた。
「亜紀落ち着いて」
いつの間にか戻ってきていた麗子になだめられ、亜紀は連絡がくるまでゆっくり冷静にまつ事に。
「よしよし」
亜紀の頭を、ゆっくりと撫でる明智。
「私子供じゃないよぉ~」
そう言って亜紀は口を尖らせていたが、頭を撫でられる事が気持ち良くて、払いのけたり、逃げたりすることはなかった。
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