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*…大嫌い…* #2
「相沢!」
それに気付いたシンが、相沢の側に行こうとすると、
「じゃあ」
すぐに車を出して逃げていってしまった。亜紀はビックリして、キスされた頬を押さえたまま突っ立っている。
ほんのり赤くなっている姿を見て、シンは亜紀の手を掴むと引っ張り歩きだした。
エレベーターの中でも、静かな2人。
部屋の扉の前につくと、やっと離れた手は鍵を開けて扉を開ける、シンが先に中へ、その後に亜紀と続いた。
……ガタン。
扉が閉まるとすぐ、亜紀は扉に押さえつけられた。シンな肩を掴む手が痛い、次第に冷たくなっていく背中。
シンの瞳は、少し怒っているように感じた。
現にシンは相沢に苛立ち、キスを防げなかった亜紀に対してイラついていた。
「シ……シン?」
何も言わないシン……亜紀はそれが怖かった。
すると、シンの手が顔に近付いてくる。次の瞬間。
ゴシゴシ。
亜紀の頬を洋服の裾を使って拭きだした。シンのお腹がチラッと見える。亜紀は動けずに黙っていると。
数秒後……シンはピタッと手を止めて、奥へと入っていった。
さっき相沢にキスされた場所を拭かれた。そう思うとなんだか嬉しくなった亜紀だった。
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