26人が本棚に入れています
本棚に追加
「今の関係のままでも……私は良いの。
ちょっと気まずくても、まだ彼女って保証があるから、それだけでいい」
亜紀の熱い視線が、斉藤の目を捕らえた。
「どうしたら、シンの事許してくれるのかな?」
シンの事を軽蔑して欲しくない。
「私にも分かんないんだよ……」
「へっ?」
思いもよらぬ答えに、亜紀は変な声を出していた。
「なんていうか……なんかどんどんどうでも良くなってきたっていうか。
最近、先生が元気がないのを見ていると、逆に罪悪感があって……。でも、まだ許せないって思うとこもあって……でも、あんたの言葉聞いてたら、自分は何してんだろって気持ちになって」
お椀をテーブルに置くと。
「今さら先生になんて言えば言いか分らないし、話しかけれないし……」
声に元気が次第になくなってきた斉藤に、亜紀はベッドに入るように言った。
「私に優しくしなくていいよ」
そう言い背を向けて寝た斉藤に、
「私ね、優しくしてあげるのが趣味なの。今、貴方が弱っている時に付け込んで、シンの事許してくれたらって、チャンスだって思ってる」
最初のコメントを投稿しよう!