*…大嫌い…* #2

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 こういう事はズルイと思ったが、それが亜紀の本心だった。シンのために、そして自分のために。  それを聞いて斉藤は、 「普通そんな事言わないでしょ。しかも本人に」  そう、少し笑っていた。 「あっもしかして、今少しシンの事、許そうとか思った?」 「変な人」 「変? 私が?」 「他に誰がいるのよ」 「それもそうだよね」  亜紀がコクコク頷きながら納得していると、そんな亜紀を見て、斉藤はクスクスと笑った。 「何? 熱でおかしくなった?」  そう慌てる亜紀に、斉藤はお腹を抱えて笑いだした。なんだか自分が馬鹿みたいに思えて、亜紀の発言がなんだかおかしくて。  どうして自分は、こうこの人たちの為に悩まなくちゃいけないんだろうと、次第に馬鹿らしくなって。 「ねぇ、大丈夫?」  亜紀の言葉に何も返さずに、しばらく笑い続けていた。 ――「熱でおかしくなったのかと思った……心配したのに」  笑い終えた斉藤をみながら、亜紀は頬を膨らませていた。 「勝手に勘違いするから悪いんでしょ」  なんて冷たい言葉を言いながらも、2人の距離は少し縮まっていた。 「もう熱下がったみたい」 「本当に」  額にちょこっと触る亜紀。 「本当だぁ~」 「勝手に触ったから、さっきのも合わせて罰金2千円」 「はっ!?」 「だから2千円」
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