26人が本棚に入れています
本棚に追加
何も変らない毎日。
何かを変えたい。
でも、何かを変えるということは、とても難しい事だった。
学校に通う事でさえ、いつも同じ道……それに慣れてしまい、そこを通る。道を変えようとも思わない、慣れてしまったら、この空間が好きになる。
同じような毎日にあきてしまうのに、退屈を感じるのに、それを崩せないのは、変わるという事が怖いから……。
シンとの関係もそうだ。
今の関係は嫌だ……でも、自分が何かすると壊れてしまうかもしれない。シンに嫌われるかもしれない。
そう思うと流れに乗るしかなかった。
シンのメールに合わせ、会いたいという気持ちを消す。
相手の幸せを願って、別れを選択しようと考えていたが、それはやはり自分には出来ない事に、日に日に気付く。
もうシンなしでは生きていけない……。
そんな変化は必要ない。
変わる事が怖い、シンを失う事が怖い。
だから今は、嫌なこの距離を保っている。
自分のわがまま……結局、シンを縛りつけ、悲しい思いや苦しい思いをさせているのは、自分なんだ。
「はぁ……」
大きな溜め息を吐いていた。
最初のコメントを投稿しよう!