*…大嫌い…* #2

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(私には何もできない)  シンの幸せを願っていても、失う事が嫌で。シンの苦しみ悲しむ顔が見たくなくて、距離を置く。  結局、それは中途半端……自分でもそれは分かっている。でもどうする事も出来なかった。 ――「ただいまぁ」  学校が終わり、家に帰ってきた。誰もいない暗い部屋に挨拶をする。  返事が帰ってこない事に寂しくなるが、返事が帰ってきたら逆に怖い話しである。  亜紀はすぐに部屋中の電気をつけた。そして窓を開け、換気をする。  ピンポーン。  いきなり呼び鈴がなった。亜紀は急いで玄関に向かう。 (誰だろ?)  扉を開けると、隣りの直樹だった。 「こんばんは」 「あっもしかして砂糖借りに来たとか?」  亜紀はすぐにそう聞く。すると直樹は、 「違うよ。ちょっと頼みたい事があってさ」  そう亜紀の顔をジッとみてきた。 「なに? 頼みたい事って」 「あのさ、今妹が遊びに来てるんだけど、夏風邪ひいちゃってさ。俺がバイトに行っている間、様子を見てて欲しいんだけど……駄目かな?」
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