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「妹さん?」
「うん、熱があってさ。実家に帰れって言ったんだけど。喧嘩してでてきたから帰りたくないって、帰らないんだよ。
本当お願い。一生のお願い」
顔の前で両手を合わせて、一生懸命にお願いしてくるので、亜紀は引き受ける事にした。
「わかった。いいよ」
「ほんと助かる」
そういうと直樹は、亜紀に鍵を渡して、出掛けて行った。妹さんは今は寝てるらしく、ささっとお風呂に入ってから行くことにした。
(妹いたんだ……)
そう考えていると、悠木に会いたくなった。もうずっと会っていない。
(今度遊びに帰らなきゃな)
いきなり親の事も恋しく思えて、夏休みに帰る事にした。
「よしっ、行くか」
亜紀は隣りの部屋に向かった。鍵を借りていたため、それで中に入る。亜紀の部屋と対称だった。
ベッドは膨らんでいて、まだ寝ているようだ。ご飯を食べてないと直樹は言っていたので、まずご飯を温めた。
ベッドをチラチラ見るが、顔が見えない。何の根拠もなかったが中学生くらいだろうな、と亜紀は思っていた。
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