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部屋の中は、雑多としていなくて、想像していたより以外とシンプルで、亜紀は辺りをキョロキョロ観察していた。
とにかく、目立つのは本棚にキレイに整頓された、本だけ……。
ご飯が温まると、妹さんを起こしてご飯をあげようと、亜紀はベッドへ近付く。
トントンと軽く肩の方を叩いてみたが反応なし。
「起きてくださぁ~い。ご飯ですよ」
そう言いながら揺すると、嫌そうに布団の中なか顔を出した。
「あっ!?」
指をさして、思わず大声で叫んでしまった。それで相手も亜紀に気付き。
「なんで!?」
そう亜紀の顔を見て驚いている。
「……」
「……」
気まずい空気が流れた。布団から顔を出したのは、シンの生徒の斉藤さんだったのだ。
沈黙を破ったのは斉藤だった。
「何でここに居る?」
睨みつけながら話すから、亜紀はなんだか怖かった。
「お兄さんに頼まれたから……」
「馬鹿兄貴……ってか早く帰ってくれない?」
「でも……熱があるんじゃ」
「あんたに見られるまでもないから」
そう言うが、斉藤の顔は紅く、目はウルウルとしてとても辛そうだった。
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