26人が本棚に入れています
本棚に追加
シンとの関係を掻き回している原因の生徒が、今目の前にいる。黙ってお粥を食べている。
胸にチクンと痛みが走ったが、気付かれないようにと振る舞った。
「私の事嫌だとか思わないの？」
斉藤のいきなりの質問に、何故そんな事を聞くのかと見ると、
「最近、うまくいってないんでしょ？ 私のせいで。
先生見てたら分かるから」
お粥をゆっくり掻き混ぜながら言う、視線はレンゲをずっとみていた、何処を見たらいいのか分からなかったのだろう。
「はっきりいって、ちょっと気まずいのは正直あるよ……でもそれは貴方のせいじゃないから」
亜紀の言葉に、信じられないという表情で、亜紀を見た。
「貴方は間違ってないもん」
そんな事、前から知っている。間違っているのは、亜紀たちで、斉藤は何も悪くない、間違っていないんだと。
「でも……ごめんね。あの時は別れるなんて言えたけど、本当は別れられない。
シンが居なくなったら、私……生きていけないから。
だから、ごめんね。嫌な思いさせて」
亜紀は何も出来ない自分が嫌だった。別れる事が出来ない、何もする事ができない。
最初のコメントを投稿しよう！