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*…好きだから…* #2
「う……うん。ありがとう」
シンは着替えを持って部屋を出ていく。亜紀は押し倒された事にドキドキとし、取り残された事にしばらく動けずにいたが、自分の置かれている状況にハッとかえり、服を着替えた。
「ふぅ~」
またベッドに入り天井を見ながら、昨日の事を思い出す。
(あぁ~思い出すだけでドキドキしてきたぁ)
幸せを感じて亜紀ははにかんだ。
(幸せ……)
シーツを掴む手に力が入る。シンの匂いがして思わず顔をうずめた。
――――
――
「ねぇ亜紀、なんか良い事あった?」
「えっ? どうして?」
あの後、9時頃までシンのマンションで過ごし、学校にきて麗子に言われた一言目がそれだった。
「なんか幸せオーラが漂っている気がするから」
騒がしい教室の中、いつも以上にニコニコしている亜紀は、幸せいっぱいで麗子に早く話したかった。学校が終わってから、ゆっくり話そうと考えていたのだ。
「麗子に話したい事あるから、今日付き合ってぇ」
「うん、いいよ」
来週から夏休みに入る。そんなに長くはない休みだが、遊ぶ約束も取り付けようと考えていた。
それから授業を受けて、気分が上々だからか、時間があっというまに過ぎている気がしていた。
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