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「明日は休みだし、とことん飲むぞぉ~細川勝負だ!」
相沢が飲み勝負をしようといいだし、
「いやだよ。子供じゃあるまいし、ほどほどに飲めよ」
冷たくあしらうシンを相沢は睨みつけると、
「面白くないねぇ~シンちゃんは! こんな時くらいいいじゃん。
なっ! 亜紀」
そう亜紀に振ってくる。亜紀はシンの顔をチラチラと確認しながら、
「ん~」
困って唸っていた。亜紀はシンが酔いつぶれた姿を見てみたいと思ったのだ。だが、そんなのシンに言える訳もない。
「あの……シンと相沢先生って、どっちがお酒強いの?」
なんて質問をしてみる。すると相沢が答えた。
「細川が弱いに決まってるだろ! こいつはいつもチビチビ飲んで、酔わないようにしてるだけ! 俺はピッチが早いから、強いけど酔うのが早いの」
亜紀はテーブルに空けられている缶を見て、なるほどと頷いた。
相沢の前には空き缶が3つ並んでいるが、シンの前にはまだひと缶しかない。
自然に亜紀の視線はシンへと向く、するとグラスを口に運んでいたシンは手を止めて、
「ん?」
亜紀の視線を受け止めた。そこにすかさず相沢が口をだす。
「シンちゃん。亜紀はどっちが強いのか見てみたいらしいよ?」
と、正直亜紀は見て見たいと思っていたため、相沢に心を見透かされたようで、何も言えずに黙って視線を逸す。
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