24人が本棚に入れています
本棚に追加
「でも亜紀は絶対変に思うな」
「だろうな」
コーヒーから上がる湯気が、ゆっくり上へと伸び消えていく。
「よし、でぇけた!」
テレビの設定を終えた相沢は、リモコンをテーブルにおいた。そして、
「いつ亜紀迎えに行くんだ?」
とシンを見ている。シンは時計を確認したあと、
「家に帰ったらベッドも無い訳だし、すぐに電話がくるだろうから、それから」
そう立ち上がった。そしてキッチンへ行き、なにやらゴソゴソしている。相沢は何をしているのかとキッチンへ見に行くと、シンは皿を数枚とグラスを3つだしていた。
「引っ越し祝いってやつ?」
グラスを持ちながらいうシンに、
「俺もいいの?」
目をキラキラさせて見つめる相沢。
「当たり前だろ。手伝って貰ったんだし」
「さすが! シンちゃん!!」
相沢はピョンピョン跳ねながらソファに戻っていった。
シンは皿とグラスを洗った後、相沢と買い出しに出掛け、買い物が調度終わる頃、亜紀から連絡が来たため、そのまま迎えた。
「もぅビックリしたぁ~、何もないからどうしようって、ちょっとパニックになっちゃった」
後部座席に座っている亜紀は、シートの間から少し顔をだし、シンと相沢を交互に見ている。
「サプライズさぁ」
と相沢はニヤニヤ笑い、シンは「ビックリさせようと思ってさ」と、笑っていた。
最初のコメントを投稿しよう!