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その頃亜紀は、
(なんで……)
開けた扉の先に自分の荷物、部屋があった事にビックリしていた。
(どうして?)
何故部屋が自分の荷物だけでいっぱいなのか、訳が分からずにいた。レイアウトも前の部屋と同じで、もうここは、亜紀専用になっている。
(嘘だよね)
亜紀は思い切り扉を開けると、ソファに座っている2人を無視して反対側の部屋の扉を開けた、違って欲しいという思いと、自分の思い込みが正しくないで欲しいと願って。
だが、
(なんで……?)
その部屋はシンの荷物でいっぱいになっている。ベッドに机も……全部シンのもので。
(嘘でしょ?)
これから毎日、同じベッドで寝起きし、全てが一緒だと思っていた亜紀はショックだった。
(別々って事だよね……?)
気持ちが沈んでいくのが自分でも分かる。部屋から出れず、ただ立ちつくしていると、シンが入ってきた。
「亜紀?」
後ろから肩を掴まれて、思わず亜紀は、振り返りながら、
「なんで? どうして? なんで別々なの?」
そう目を潤ませている。
「説明するから、ちょっと座ろう」
そう言ってシンは亜紀をベッドに座らせた。シンは近くにあったイスに座る。
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