24人が本棚に入れています
本棚に追加
今にも泣いてしまいそうな亜紀、そんな亜紀の頭を優しく撫でると。
「実はな、これが同棲の条件なんだ」
とシンはまず結論から話した。そして、亜紀の親に挨拶をした時の話しや、母親に条件を出された事。亜紀は、目を丸くして話しを聞いている。
「だから、仕方なかった。許してくれ」
「なんで早く言ってくれなかったの! 知ってたら、あんなに落ち込まなかったのに!」
理由を知って安心したのか、亜紀はいきなり怒りだした。
「母さんが言った事だって知ってたら、ショック受けなかったのに。シンが私と一緒なのが嫌なのかと思ったじゃない」
そう言って大きく息を吐いたあと。
「部屋は別々でも、一緒に寝ていいよね?」
ころっと変わる態度、怒り口調から甘え口調になった。予想もしなかった、いきなりの亜紀の態度に、
「当たり前だろ」
そうシンは笑いながら髪をクシャっと撫でた。亜紀がやはり年下なんだと感じる一瞬だった、感情の動きが早い。
「でも、亜紀の母さんには内緒な」
「うん」
笑顔の亜紀を連れて、シンは相沢の待つリビングへと戻った。
――「それではぁ~2人の同棲にかんぱぁ~い」
相沢の掛け声で、グラスをカチンとあわせた。お祝いのスタートである。
シンと相沢はビールを飲み、亜紀はレモンティーを飲んでいる。
それから30分後。
最初のコメントを投稿しよう!