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「クリスマスに2人きりなのって、初めてだね」
笑顔で話す亜紀に、
「そうだな」
と答え、食事を口へと運ぶ。どの料理も美味しくて、亜紀も満足しているようだった。
「お酒飲みたかったでしょ? タクシーでこればよかったのに」
と亜紀はシンに言うが。
「たまにはこういうのも良いんじゃないか?」
と返す。本当はこんな大事な日にお酒を飲む気になれないだけで、行きたい場所もあったため、車が必要だった。
食事が終わると、少ししてから店をでる。
「美味しかったね」
「あぁ」
2人は手を繋いで少し街を歩いた。綺麗なイルミネーションがあちらこちらにある。
街はいつにも増して輝いていた。
「見て大きいツリー」
亜紀の指差すほうに目を向けると、ショッピングセンターの前に大きなツリーが飾られてられている。
その周りには人が多く、写真を撮っている人が大半だった。
「大きいな」
「きれいだね」
それからしばらく歩いて車に戻る。
「もう私満足。楽しかったぁ~」
「よかった。楽しんでくれて」
シンはある目的地に向かって車を走らせる。家に向かうと思っていた亜紀は、道が違う事に気付き、
「何処行くの?」
と聞いてきた。それにシンは、
「とっておきの場所かな」
とニッコリ笑った。
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