*…プロポーズ…* #2

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 2人は車外へ。12月の冷たい風が2人に吹き付ける。 「さむっ」  亜紀の呟く小さな声が聞こえて、シンは後部座席から、用意してきたコートを取った。 「ほらっ。これで少しは温かいだろ?」  亜紀の肩にかける。 「ありがとう」  という亜紀の手をとって、シンは歩きはじめた。次第に亜紀もどこだか分かったらしく。 「あぁここかぁ」  という。亜紀の声を聞きながら、シンは前にどんどん進む。そして木々の間を抜け、辿りついたのは、3年前に相沢に教えて貰った、夜景の見える2人の結ばれた場所だった。 「綺麗」 「そうだな」 「うん」 「やっぱり寒いな……」  と呟いたシンは、そっと亜紀の肩を抱き寄せた。くっつくと寒さも少しは凌げる。 「思い出しちゃった。あの日の事……私、告白できなくて泣いてたよね」  ボソッと亜紀は呟いたあと続けた。 「あの時、ぼろ泣きだったよね」 「本当に、抱き付いて泣いてたもんな。また泣かせてやろうか?」 「もう」  そう口調は少し怒りながらも笑っている。 「なぁ亜紀」 「ん?」 「俺さ、あの時よりも何倍も何十倍も、亜紀の事好きになった」  亜紀はえへへっと笑うと照れて下を向いてしまった。
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