*…プロポーズ…* #2

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「私はもっとだよ……」  小さく聞こえる声に、シンは愛しくて愛しくてたまらなかった。 「可愛いやつ。だから放っておけないんだよ」  シンは亜紀の肩を掴み、自分の方へと向けた。向かい合う2人の視線は自然と交ざる。 「亜紀、聞いて欲しい事がある」  真剣な顔に、亜紀はドキンと心臓が大きくなった。  肩から離れた手は、ポケットの中へ。そして小さな箱が取り出された。 「っ……」  箱や真剣な表情をみれば、それがなんだか分かる。ただのクリスマスプレゼントじゃないって事。 (うそ……)  思いもよらない出来事に、亜紀はシンの顔をジッと見ていた。 「俺は、これからもずっと、亜紀と一緒にいたいと思っている」  風が強いのに、それが冷たいのに、そんな事全然気にならなくて。 「お前を守っていきたいし、ずっと俺の側にいてほしい」  白くなった息さえも、全てが愛しい。  今までの出来事が、頭の中で駆け巡る。辛かった事や、悲しかった事。  楽しかった事や嬉しかった事。それ以上に側にいれる幸せを。 (シン……)  真剣な眼。 「亜紀……」  もう貴方の声しか聞こえない。  まだ夢の中にいるのか……。
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