I fall in love:乱される気持ち

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 平日の学校午後12時半、売店で買ったおにぎりとお茶を手にして、屋上で食べていた。11月上旬だけど寒くなく、時折吹いてくるカラッとした風が、とても心地よい。 「学校でも勉強して、塾でも勉強して……あ~、いつまで続くのかな」  受験が終わっても勉強しなきゃいけない現実に、思わず愚痴ってしまう。  最後のおにぎり一口を頬張り、冷たいお茶で一気飲み。何となく頭がシャキンと引き締まった。 「さてと。そろそろ戻って、移動の準備すっか」  腕時計を見ながら立ち上がった時、中庭のベンチに腰掛けた水野を発見。 「アイツ……何、やってんだ?」  思わず屋上から身を乗り出して、何をしてるのか、見てしまった。図面の様な大きい紙を覗きこみ難しい顔をして、何かを真剣に考え込んでいる様子。 「奴が気になるのかね、少年?」  突然後ろから突然、声をかけられたので、超ビックリするしかない。足音と気配を、全然感じなかったぞ。  恐る恐る振り返り、声の主を確認してみた。
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