I fall in love:変な刑事

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 予想通りというか覆面を被った人間は迷う事なく、邪魔になるであろう俺に、突進してきた。  次の瞬間、奥歯を噛みしめて、次の瞬間ら左手で包丁を持っている手をズバッと払い除け、右手で襟首をむんずと掴む。掴んだ襟首を軸にし上手くぶら下りながら、左足を相手の横へ出して、強引に体を倒した。  そのまま綺麗に真横へぶん投げれば、横落(よこおとし)の成功!  落とした拍子に包丁をどこかへ飛ばしてくれたので、安心して絞め技に取り掛った。  自分の右手で相手の着ているシャツの左袖を掴み、締め上げながら左手は、逆の事をしていく。ゆえにどんどん、締まっていくんだ。  コンビニから、覆面被った人間が出てくる=強盗。世の中不景気なのは分かるが、どうして俺の目の前に現れたかな。  小中学校を柔道教室に通っていたお蔭で上手く対処できたけど、何も出来ないという状況だったら、どうしていただろう?  締めながら俯きうーんと考えていると、何となく視線を感じた。ふと、顔を上げて見る。  息を切らしたサラリーマン風の男が、まじまじと俺を見ているではないか。 「あの、喧嘩じゃないです。偶然、強盗に出くわしてしまって……」  あまりにも食い入るように見つめるので、思わず弁解をしてしまった。 「君、強いんだね。その強盗、伸びちゃってるよ」 「やべっ! やり過ぎた……」
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