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「山上を好きでいる水野を、丸ごと包み込めるような、大人になってやるから。山上の墓に誓うから、離れるんじゃねぇぞ」
「分かった……何があっても、離れないから!」
翼の誓いに、山上先輩はどう思っただろう。こんな抱きしめ合ってる俺たちの姿なんか、見たくはないだろう。だけど今、俺はすごく幸せなんです。この幸せがずっと続けばいいなって、思っているんです。
――一瞬の幸せじゃなく、永遠の幸せを、この人と分かち合いたい――
俺は涙を拭って、翼と一緒にお墓に向き直った。そして静かに合掌をする。
翼は何を考えているのだろう? 俺は山上先輩のお墓に、誓いを立てたよ。
関さんが言うように、男同士の恋愛なんだから、明るい未来ばかりじゃないと思う。しかも、君は一人っ子だ。跡取り問題だって、出てくるだろう。
でも君となら、どんな困難な道でも、乗り越えられる自信があるんだ。
だからこそ翼とふたりで、必ず幸せになる!
俺はそう誓いを立てて、ふたりで手をつないで、お墓を後にした。
貴方の分まで幸せになるから、見守ってて下さい。と――
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