転:絡まる恋(続き3)

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 今までの補佐ならきっと、と考えてふと悲しくなる。  そんなことを考えたところで、私と補佐の今の状況は何も変わらない。  こうして、私と補佐の気まずい上司と部下の関係が新たに始まった。  折角教えてもらった携帯電話も、『トキ兄』からの着信を告げることは全くない。  週末が来ても、一緒にDVDを見ようって――なんて誘いは当然なくなった。  恒例になりつつあったその行事も、もうないんだなってその週の金曜日になって気が付く。  当然のことだって分かってる。  けれど、その当たり前を受け入れなければならないことが、すごく寂しくて辛い。  隣に居たいなんて欲を出さなければ。  間違っても告白なんてしなければ。  補佐の過去なんて知ることがなければ。  そうすれば私はまだ、補佐の隣で一緒に舞台鑑賞をするくらいは出来たのだろうか?  そんな風に思うと悲しくて、休日の土曜日は一人の部屋でまた泣いた。  元の上司と部下よりももっと遠い関係になってしまった一週間はやけに長くて、たまらなく苦しい。  落ち込んでいたって日々は過ぎて行く。  当然仕事にもいかなきゃいけない。  気分が乗らないからサボります……なんて学生みたいなことは言えるはずもない。  ましてや上司と気まずいから嫌ですなんて言おうものなら、私の首が確実に飛ぶ。  いや、本当は――違うんだ。  気まずくたってなんだって。  例え補佐が私を避けるようなことが起こったとしたって。  私はどうであれ補佐に会いたい――
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