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授業も終わり、学校が終わっても、木下は戻ってこなかった。
カバンは教室にある、一体どうしたんだろう。
俺は職員室から生徒が帰っていく姿をみていた。すると自クラスの工藤と祐介の姿、良く見ると工藤が木下のカバンをもっていた。
工藤が届けるんだから大丈夫だな、そう思ったが。
何も言わずにいなくなった木下が心配だった。
明日はとっちめてやらないと、また後で電話してみよう。そう俺はまた仕事を始めた。
高校生のサボりは珍しいものじゃないし、あまり気にしない事にした。
夏休みに続き、放課後を使って英語の特別授業。
安藤も少しずつ2年生になれてきていた。皆を見送り仕事を片付け、俺は家に帰る。
――その帰り道
いつもの様に車を走らせていると、木下の後ろ姿を発見した、手にはカバンが握られている。
いったいこんな時間までなにしてたんだ?
ビッ ビッ
俺はクラクションを鳴らした。木下は振り返りビックリしている……そんな木下に、
「のれ!」
そう言っていた。
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