*…気持ち…*

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「あっはい」  木下はそう答え、後部座席に乗り込んだ。  車を走らせる、しばらくの沈黙。俺は単刀直入に聞いてみた。 「木下、お前さぼりかぁ??」  とすると、 隠すこともせず、 「あっえっと、はい……」  そう木下は答えた。なんだかおかしくて。 「ばか正直」  思わず顔が緩む。 「あんまりサボるなよ」 「はい、わかりました」 (なんだかなぁ……) 本当はビシッと言ってやるつもりだったのに、調子狂う。  俺は、気になったことを聞いてみた。 「でも、こんな時間まで何してたんだ?」 「えっと……そこらへんをブラブラと……」 (そんな訳ないだろ)  といいたかったが、木下にも言いたくない事があるかもしれないと思い、追求しなかった。 「そうか~」  すると、少しして木下は、 「あの、 先生はあずさとメールしてるんですか?」 と聞いてきた。
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