31人が本棚に入れています
本棚に追加
屋上の扉を、思い切り押し開けると、風が勢いよく体に当たった。
そして、ふと目に飛び込んできたのは、木下の姿。
「あれっ木下何やってんだ?」
木下は、俺が来たことにちょっとビックリしているようだ。
「えっ!? 先生こそ何をしてるんですか??」
「あっ、ただの気分転換」
質問を返されたと思ったが、一応答えた。すると木下は、
「私も、ただの気分転換ですよ」
そう笑った。
俺はフェンスにもたれて、景色を眺める。すると木下は、地べたに座った。
「先生、いつも何時に学校きてるんですか??」
「いつも7時とかかな多分、時計見ないからわからない」
俺は適当なんだ……。
景色に目をうつす、ここら辺も数年の間に変わってきていた。
高いビルが遠くに見えて、新しい家が建ったり、新しいお店が出来たり。
というか……なんだか視線を感じるのは、気のせいなのか?
ふと木下をみると、目があった。
その瞬間、木下はすぐに目を逸す。
今確実にみてた……。
「木下は彼氏いるのか??」
俺はなんでこんな事を聞いたんだろう。
「いないですよ」
最初のコメントを投稿しよう!