*…気持ち…*

11/22
前へ
/35ページ
次へ
 屋上の扉を、思い切り押し開けると、風が勢いよく体に当たった。  そして、ふと目に飛び込んできたのは、木下の姿。 「あれっ木下何やってんだ?」  木下は、俺が来たことにちょっとビックリしているようだ。 「えっ!? 先生こそ何をしてるんですか??」 「あっ、ただの気分転換」  質問を返されたと思ったが、一応答えた。すると木下は、 「私も、ただの気分転換ですよ」  そう笑った。  俺はフェンスにもたれて、景色を眺める。すると木下は、地べたに座った。 「先生、いつも何時に学校きてるんですか??」 「いつも7時とかかな多分、時計見ないからわからない」  俺は適当なんだ……。  景色に目をうつす、ここら辺も数年の間に変わってきていた。  高いビルが遠くに見えて、新しい家が建ったり、新しいお店が出来たり。  というか……なんだか視線を感じるのは、気のせいなのか?  ふと木下をみると、目があった。  その瞬間、木下はすぐに目を逸す。  今確実にみてた……。 「木下は彼氏いるのか??」  俺はなんでこんな事を聞いたんだろう。 「いないですよ」
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加