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でも、満更でもなかった。心の中で、そういう関係になりたいと思っている自分がいた。
(俺……木下の事……)
この時、初めて自分の気持ちに気づいた。
木下は驚いて……目を丸くしている。
でも君との関係は教師と生徒。
「冗談。お前はオレの生徒だもんなぁ、手だしたら犯罪だよ」
俺は何がしたいんだろうか……。
でも、このまま木下の答えを聞くと、確実に関係がグシャグシャになるような気がした。
ここは冗談で流す事が一番良い。
「ひどい……」
そんな事を言われると、期待してしまう。
「ごめんごめん」
「お詫びに先生、また海に連れてってくださいね」
と言われ、答えは決まっていた。
「おぅわかった。そろそろ先生は戻るなぁ」
承諾。
俺は自分の気持ちに気づいてしまった。木下を1人の女として見ている……この場に居ずらくなって、屋上をあとにした。
職員トイレに向かい、鏡の前に立つと、さっきの事を考えていた。
(はぁ……俺はなにがしたいんだ。
教師と生徒だぞ、ダメだ!)
そう思う反面、木下を自分の物にしたい……という気持ちが胸の奥に渦巻いていた。
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