*…星空…* #2

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「うそっ」  そう声をあげた。 「また、どうした?」  俺は心配してきくと、真剣な顔で、 「先生ここから家まで何分ですか?」  ときいてくる。 「ん~30分くらいかな」  いや15分くらいで着くかもしれない。でも信号にかかったりしたら20分、30分はかからないか。  きっと時間を見たのだろう、もう遅い時間。  木下はとても静かで、もしかして親に怒られるんじゃないか……。 (そうだよな……もう朝方だし。俺ダメ先生じゃん) 「怒られるのか?」 「多分……」  俺が親だったらカンカンだ! と考えてると。 「先生、私が帰りたくないって言ったらどうします?」  と聞いてくる。  いきなりどうしたのか、木下らしくない、もう酒は抜けているはず、 (俺をからかって遊ぶ気だな) 「帰ろうって言うかな」  そう言うと、ちょっとガッカリした顔をした。 (どういう事だ……? もしかして木下は……)  自意識過剰かもしれないが、そう思った。 「ははっだよね。先生急いで、父さん起きちゃう」 (まさかな! 先生だから甘えてんだよな!!) 「はいはい」 ――家の近くで降ろした。家の前まで送るといったが、木下がそうして欲しいと言ったからだ。 「先生、ありがとうございました」  いつもの笑顔、今日はいっぱい動いたから疲れてるはずなのに、全然疲れを感じない。 「じゃあ~な」  木下の笑顔が薬なのかもしれない。
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