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それで気付いてしまった。今俺は、安藤に笑顔を向けられたのに、なんとも思わなかった事を。
木下の時と違うと……。
俺のココロは、この日から変わり始めたのかもしれない。
――――
――
安藤が始めて夏休みの英語の授業に参加する日。
「はじめまして。安藤あずさです、よろしくお願いします」
安藤だけ1年だったが皆快く迎えてくれた。
「じゃあ、やるか」
プリントを配る。2年と1年じゃあ差があるが、安藤だけに合わせていくわけにもいかず。
2年は受験が早いからと、2年生中心で授業を進める事にした。と言っても皆が引っかかってるとこを黒板で説明するだけだが。
安藤には席にいき、わからないとこは教えてやっていた。頭が良いからそんなに手はかからなかった。
そして帰りには宿題のプリントを渡す。
「じゃあ、これをやってくるように」
そして授業終了。みんな帰っていく中、安藤が俺のとこにきた。
「先生……」
「なんだ?」
「あの……アドレス教えてくれませんか??」
「あぁ良いけど。どうかしたのか? 悩み事か?」
「色々相談したい事があるんです。進路の事とか勉強とか」
そうは言っているものの、確実に安藤の顔は紅く、気がある事には気付いていた。
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