*…プレゼント…* #2

17/29
前へ
/35ページ
次へ
 彩はまた引っ付いてくる。腕に手を回してきて、動けない。  木下とは少し距離があった。気になるが黙ってテレビに目を向けていると、寝息をたてている彩。眠った事に安心したが腕は掴まれたままだった。  静かにストーリーが進んでいく、喋る人はいない……すると木下の頭が俺の肩にトンっとぶつかった。  ドキッとしたが、見てみると、眠ったようだ。寝息をたてている。 (かわいいなぁ)  しばらく寝顔を見ていた、なんて無防備なんだろうと、どうして木下にだけそう思うのかは、ドキドキしている心臓が好きだからだと伝えている。  DVDが終わって、起きてるのは俺だけだった。  彩と木下を起こさないようにゆっくり手を伸ばし、リモコンを操作していたが、肩が少揺れそれで木下が目を覚ましていまい。 「あっ起こしたか?」  そう声を掛けると、 「ごめんなさい」  といって、すぐに俺から離れた。 「別にいいよ」  ちょっとショックだった。そんなに素早く離れなくてもいいだろうと。  周りを見渡す木下。木下に手伝ってもらい、用意しておいた布団を皆に掛けてまわる事にした。  彩は起きないように腕を外し、そっとソファーに寝かせて布団をかけた。  俺は次に田中に、木下は有馬に布団をかけようとしていた。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加