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彩はまた引っ付いてくる。腕に手を回してきて、動けない。
木下とは少し距離があった。気になるが黙ってテレビに目を向けていると、寝息をたてている彩。眠った事に安心したが腕は掴まれたままだった。
静かにストーリーが進んでいく、喋る人はいない……すると木下の頭が俺の肩にトンっとぶつかった。
ドキッとしたが、見てみると、眠ったようだ。寝息をたてている。
(かわいいなぁ)
しばらく寝顔を見ていた、なんて無防備なんだろうと、どうして木下にだけそう思うのかは、ドキドキしている心臓が好きだからだと伝えている。
DVDが終わって、起きてるのは俺だけだった。
彩と木下を起こさないようにゆっくり手を伸ばし、リモコンを操作していたが、肩が少揺れそれで木下が目を覚ましていまい。
「あっ起こしたか?」
そう声を掛けると、
「ごめんなさい」
といって、すぐに俺から離れた。
「別にいいよ」
ちょっとショックだった。そんなに素早く離れなくてもいいだろうと。
周りを見渡す木下。木下に手伝ってもらい、用意しておいた布団を皆に掛けてまわる事にした。
彩は起きないように腕を外し、そっとソファーに寝かせて布団をかけた。
俺は次に田中に、木下は有馬に布団をかけようとしていた。
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