*…プレゼント…* #2

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――修了式の日。  今日でやっと忙しさから解放される。そう俺は喜んでいた。  終了式は案外早く終わり、教室で通知表を生徒に返し、簡単な挨拶をして終了。  やっぱり『羽目をはずさないように』という言葉は、長い休みの前は、どの先生も必ずいう。  あえて俺は言わないけど……。  生徒たちは帰り際に、別れを惜しんでいたり、明日から休みなので元気な奴等もいた。  今日で今年は木下も見納めかもなぁ、なんて思いながら、思わず見てしまう……。  友達と楽しそうにしている木下は生き生きしていた。 「あの……」  いきなり俺は声をかけられ、すぐに木下から視線を外した。  生徒がポツポツと帰っていく中、側には安達早紀が立っている。声をかけたのは彼女らしい。 「どうした?」 「ちょっと話しがあるんですけど、来てもらっていいですか?」 「あぁ」  とりあえず、安達の後をついていく事に、向かってるのは屋上だった。 (なんだろう?)  真面目な安達が俺になんの用なのか、木下に夢中の俺は、最近感覚が鈍っているようで、いつもなら気付くはずなのに、今回は全然気付かなかった。  安達はクラスをまとめる優等生。 (なにかあったのか?)
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