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*…悩み…* #2
彩もついてきて黙って隣に座る。
彩は俺を癒してくれるのだろうか? 木下を忘れさせてくれるか?
自分でも最低な事を考えてると、 わかっていた……。
だけど忘れられない自分が、どうやったら忘れられるのかと、そう考えてしまう。
しばらくすると、彩は俺にもたれスヤスヤ眠ってしまった。
そして俺もいつの間にか眠ってしまっていた。
――――
――
「先輩、起きてください」
有馬の声に目を覚ました。
「おぉ有馬」
まだフラフラする頭に、飲みすぎたと反省した。
「初日の出、もう出ちゃいますよ」
どれくらい眠っていたのか、いつ眠ったのかも分からない。俺が動いたからか、もたれていた彩も目を覚ました。
「いきますよ」
有馬にいわれ、皆が待つ場所へ。すると、次第に空が明るくなってきて、東の空から眩しい光が頭を出した。
あたりで歓声があがる。俺はただ黙って、眩しい光を眺めていた。
陽も完全に昇り、見物人もパラパラと帰りはじめた頃。
「じゃあ今日はこれでお開きにしますかぁ」
有馬がそう声をかけ、帰る事になった。片付けをして、帰る準備を整える。
「あの心さん、ちょっと話があるんですけど……」
「なに?」
いきなり隣にいた彩に囁かれた、
「ちょっと来てください」
腕をひっぱられた。
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