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木下が居なくなるような何かがあった事は、大体予想はできる。 俺は有馬との電話を切ったあと、心配ですぐ木下に電話をかけた。
呼び出し音がなる、今避けられている自分の電話を取ってくれるのか……正直自信がなかった。
が。
「もしもし」
繋がった電話。
「あっ木下大丈夫か?」
すると
「せんせぇ~」
今にも泣きそうな声で俺を呼ぶ。
「今有馬から電話があって、お前がいなくなったって」
有馬から電話があったことを説明した。
「今どこにいる?」
「わかりません……」
彼女の声は暗い。本当に迷ってしまったらしい。
「なにか目印ないか?」
「なんか海の近くです……」
海と言われても、有馬にちゃんと場所を聞いていなかったため、良く分からなかった。
「他には ?」
木下に別の目印がないか聞く、海だけでは全然わからない。
「せんせぇ……なにもありません」
助けを求める声。
「大丈夫だよ。なんか目印あるから、来たとこに戻れるか?」
木下が落ち着くように優しく話す。
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