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「どこから来たかわかりません」
と言われ、ちょっと笑ってしまった。どこまでドジなのか。
「やっぱり木下はドジだな」
というと、いきなり。
「あっなんか建物があります」
といってきた。
「じゃあ、そこ行って」
その建物に行くように指示すると、受話器の向こうから走っている足音が聞こえた。
少しして、
「なんか喫茶店みたいです」
と小さな声。
「名前は?」
と聞くと少し無言になり。
「喫茶メルヘンって書いてあります」
といってきた。
「人いないのか?」
そう聞くと、木下は何度かドアをノックして、呼び掛けていたが反応がないらしく。
「いないみたいです……」
と、とても不安そうな声を出す。すぐに行ってやりたい……そう思った。
「今から探していくから待てるよな?」
そう聞くと、
「電話切らないでください……」
と小さな声で言われ。
「わかった繋いだままにするから」
と俺は電話を繋いだまま、パソコンを立ち上げネットで場所を探す。がなかなかヒットしない。
(どうする……)
と思い、まず車に向かった。電話は繋いだまま、すると、
「先生充電きれる~」
と木下が泣きそうな声をだした。
「すぐ行くか『プチップゥプゥプゥ』
途中で電話はきれてしまった。
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