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言ってしまった後に自分は本当にどうしたいのか、良く分からなくなってしまった。
木下をチラッとみると、黙って一点をみつめている。
「どうした??」
「あっ、ぼーっとしてました」
「木下らしいなぁ」
そんな彼女が可愛くて笑顔になる。するといきなり、
「先生、携帯充電していい?」
と言ってきた。充電器を探していたのだろうか、携帯の充電が切れていた事なんてすっかり忘れていた。
「使って」
といい車についてる充電機をわたした。木下はそれを携帯につなげて、
「先生海に行きたいな、いつもの海」
といいだした。
「おぅいいぞ」
と俺は海に向かって走る。本当に俺は都合がいい……木下の気持ちを踏みにじったくせに、木下に優しくする。
どうしたいんだ……本当はこんな事はだめだって分かっているのに止められない。
そうだ、これで終わりにしよう……。
優しくするのは今日で終わりにしよう。そして忘れよう、忘れよう、忘れよう。
今日が終わったら……忘れるんだ。
と何度も心の中で言いつづけていた。
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