*…悩み…* #2

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 海について車を降りる。寒いだろうと車にあった毛布をもった。  それから砂浜を歩く、今日は少し風が強く寒かった。  冬の海……寒いのは当たり前だが、こんな海も好きだ。 「ここら返がいいかな」  俺は砂浜に腰をおろす。すると木下もその隣に座った。 「寒いだろ?」  そう聞くと、 「少し」  と答える木下は、少しと言ったくせに、とても寒そうで震えている。 (強がりだな……)  そんな木下の目の前に、 「じゃじゃ~ん」 と俺はマジシャンみたいに毛布を広げてみせた。 「用意いいだろ」  と、すると。 「はい」  と笑顔で答えた。  今日だけ今日だけ……いっぱい優しくさせてくれ。  木下の事、忘れるから。無理だとわかってる……もし忘れられなくても、今日で優しくするのはやめるから。  俺は毛布を砂浜にしいて寝転んだ。そして、ポンポンと木下も寝転べと隣りをたたく。  すると、木下は横に寝そべった。  それで俺は余った部分を体にかけてあげる。1つの布にくるまって暖かかった。  これが俺の精一杯の優しさ……愛しくてたまらない。 「寒いな」  近い距離がドキドキする。 「さっきより暖かいです」  と答える木下。
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