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愛しくたまらない……。隣りにいる彼女が愛しくて。
静かに流れる時間。黙って考え事をしていた。
こんなに近くに木下がいる事、傷つけなくないと思う心。手にいれたいと思う心。
木下の温もりで安らぐ。
俺は知らないうちに眠ってしまっていた。
――どのくらい眠っていたのか、目が覚めると波の音が聞こえてきた。
最初何処にいるんだろうと思ったが、波の音と風に海だと分かる。
(そうだった……)
と思っていると、温かいぬくもりを感じた。木下がくっついて眠っていたのだ……可愛すぎる。
グラッと揺れる気持ち、想いをよせあっていても、教師と生徒はそういう関係になってはいけない。
今何時だろうか……ふとそう思い、俺は時計をみた。
(えっ!?)
時計をみて驚いた。
「おきろ!」
すぐに木下を起こす。
「木下、ヤバいぞ」
俺は焦っていた。時間が時間だったからだ。
「今、何時だとおもう?」
木下は携帯をポケットからだすと、
「うそ~!!」
と叫んだ。今ので完璧に目は覚めただろう。叫ぶ気持ちもわかる、時計は5時半をさしていたから。
(やっちゃったなぁ)
俺が落胆していると、
「あははは」
といきなり木下が笑いだした。寝ぼけてるのかもしれないと、
「なにがおかしいんだ、木下?」
と尋ねた。
「だって~あははくくくっ」
と笑いつづけている。俺が焦っていたのが面白かったらしく。しばらく木下は笑っていたが、自分の置かれている状況を把握してきたのか、
「先生どうしよう?」
と聞いてきた。
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