16人が本棚に入れています
本棚に追加
さぁどうする。
木下は携帯を操作している。多分親から電話かメールがきてるんだろう。
まずは木下を早く家に帰さないと。
「木下……まずは家に急ごう」
と2人で急いで車にのり車を飛ばした。不覚だった眠ってしまうなんて。
車内はとても静かだ、きっと木下もどうしたらいいのか分からずにこれから起ることを想定しているのだろう。
木下の家の近く、信号待ちをしていると、いきなり木下は車から降りた。
「先生ごめんね、ここで良い。父さんうるさいし、先生に迷惑かけたくないから」
と、
「おいっ家まで送るって」
そう言ったが木下は、
「大丈夫です。学校で」
と走って行ってしまった。信号待ちで動けない。車を捨てて木下を追いかけようかと思ったが、車が何台か後ろにいたため諦めた。
(木下大丈夫なのか……)
後ろ姿が遠くなっていく。信号が青に変わり木下の姿も見えなくなった。俺はアクセルを踏み込んだ。
暗い闇の中を灯りを照らしながら、少しずつ前にすすむ。
木下ありがとう。優しくさせてくれて……。
俺は家につくとそのまま学校にいく準備をした。
結局休む暇もなくそのまま出勤だった。
最初のコメントを投稿しよう!