*…悩み…* #2

2/23
前へ
/35ページ
次へ
 有馬たちはそれを見ていたが、何も言わず車にむかっていった。  砂浜に腰をおろすあや、俺も隣に腰をおろす。そして、なんとなく雰囲気で気付く、告白されるんだと。 「心さん私と付き合ってください」  やっぱり。 「私とても大好きなんです。お願いします」  木下のかわりになるかなんて考えたが、かわりになるわけがない。 「ごめん俺、好きな人いるって言ったろ」 「じゃあお願いが あります」 「なに?」 「心さんの事忘れますから、1度だけキスしてください」 キスなんて必要ない。何故そんな注文をうけないといけないのか。 「ダメに決まってるだろ」  そう言った瞬間。彩は無理矢理唇を奪った。ビックリし少し固まってしまう。  涙を流しながら合わせてくる唇は、少し震えていた。  俺は彩を押し退ける事ができなかった。  キスは長く、首に手がまわってきた。俺はただ、彩が離れるのを待った。  そんな中海の方へ視線を向ける俺は、最低な男だと思う。心ここに在らず。  木下……?  この時幻覚を見たのか、砂浜に木下がいるのが見えた。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加