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有馬たちはそれを見ていたが、何も言わず車にむかっていった。
砂浜に腰をおろすあや、俺も隣に腰をおろす。そして、なんとなく雰囲気で気付く、告白されるんだと。
「心さん私と付き合ってください」
やっぱり。
「私とても大好きなんです。お願いします」
木下のかわりになるかなんて考えたが、かわりになるわけがない。
「ごめん俺、好きな人いるって言ったろ」
「じゃあお願いが あります」
「なに?」
「心さんの事忘れますから、1度だけキスしてください」
キスなんて必要ない。何故そんな注文をうけないといけないのか。
「ダメに決まってるだろ」
そう言った瞬間。彩は無理矢理唇を奪った。ビックリし少し固まってしまう。
涙を流しながら合わせてくる唇は、少し震えていた。
俺は彩を押し退ける事ができなかった。
キスは長く、首に手がまわってきた。俺はただ、彩が離れるのを待った。
そんな中海の方へ視線を向ける俺は、最低な男だと思う。心ここに在らず。
木下……?
この時幻覚を見たのか、砂浜に木下がいるのが見えた。
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